離婚の年金分割について
年金分割とは、離婚をしたときに、厚生年金保険料の加入記録を夫婦であった者どうしの間で分割できる制度のことです。
年金分割制度には、「合意分割」と「3号分割」という2種類があります。
「3号分割」は平成20年4月1日から実施されており、年金事務所に請求をおこなうだけで、自動的に50%が分割されるというものです。
ただし、この場合に分割されるのは、平成20年4月1日以降の分だけです。
平成20年3月31日までの分は「合意分割」の方法によらなければなりません。
合意分割の手順
(A)夫婦で一緒に年金事務所に行き、年金分割請求の届出をします。年金事務所は、旧社会保険事務所です。
(B)年金事務所で「年金分割のための情報提供通知書」の交付を受けます。夫婦間で割合を定め、その合意内容を離婚協議書に書き加えて公正証書として作成してから年金事務所に提出します。
もし夫婦で話がまとまらなければ、家庭裁判所に分割内容の「調停申立」をして、調停又は審判によって分割内容を決定してから年金事務所に年金分割請求の届出をします。
熟年離婚
熟年という年代は50歳前後の年齢をいうのですが、”熟年離婚”という用語は、「結婚期間が20年以上の夫婦が離婚すること」を意味しているようです。
これまで、離婚後の生活費を気にかけて熟年離婚を躊躇してきた専業主婦のかたも少なくなかったと思います。しかし、年金分割制度によってそうした不安が軽減され、今後は熟年離婚が増えるかもしれません。
いよいよ団塊世代が次々と退職する時代に入り、熟年離婚が本格的に社会問題化してくると言えそうです。
本音を言えば介護が嫌だからと、配偶者が倒れる前に離婚してしまう、「介護拒否離婚」が始まってもおかしくありませんね。